
会社でDC年金制度があるけどどういうものなの?
負担するとお得なの?損しないの?
企業型DC年金とは何?と言う人向けの紹介記事になります。
このブログを読むと企業型DC年金のメリット・デメリットとおすすめ使い方を紹介します。
企業型DC年金の概要

- 企業型DC年金はサラリーマン向けの優遇制度です。会社が自分の年金を積立してくれます。
- DC年金の自己負担(マッチング拠出)を増やすと節税になります。
- 給料に依存しますが、積立金の20%~30%位が節税できます。
- 最短で60歳まで受取れないため注意が必要です
税制面で優遇が強いので、マッチング拠出制度がある人はかけておいたほうがお得です。
企業型DC年金メリット
企業型DC年金のメリット1 会社が年金を積立してくれます
企業型DC年金は会社が年金を負担して出してくれるサラリーマンにとっての制度です。
積立方法は2通りあります。
- マッチング拠出あり → 半額会社が積立・半額は個人負担(負担額は決められます)
- マッチング拠出なし → 全額会社が積立
企業型DC年金のメリット2 税制優遇が充実しています
企業型DC年金の税制優遇1 マッチング拠出の積立金は税金がかからない(税額控除)
マッチング拠出制度を採用している会社にお勤めの場合、積立ての半額分は個人が負担額を決められます。 (0円=負担しない事も可能)
この個人負担した積立金に対して税金がかかりません。
DC年金を積立てずに給料でもらう場合は所得税・住民税・復興所得税がかかります。
企業型DC年金の税制優遇2 運用で儲けがでても非課税です
金融商品で儲けが出た場合、雑所得として約20%の税金がかかります。
DC年金の場合は、儲けが出ても非課税です。
普通に定期預金や投資信託で積立てるよりもお得です。
企業型DC年金の税制優遇3 受取り時に節税になる
●受取時に退職金として受け取る場合、退職所得控除等で税金が50%~100%免除されます。
●年金として受取る場合、厚生年金等の他の年金と合算して公的年金控除の対象になります。
DC年金を年金として受け取る場合は、通常60歳~70歳の10年間(※)でもらいます。
※50歳までにDC年金に加入した場合の例
退職金として受取る方が個人的にはおすすめです
なぜなら次のような試算のためです。 試算モデル
- 38年会社勤務
- 在職中の平均年収は600万円(22歳~60歳)
- 退職金は2,000万円
- 厚生年金は年額200万円受給(65歳~)
- DC年金の総額1000万円 (月2万積立×12カ月×38年+利子88万)
- ※復興所得税は割愛しています
この場合、退職金で受取ったほうが13万円近く節税になります。
退職金で受け取る場合
●1.退職金の控除額試算
退職所得控除 の計算式 | 800万円 基本額 | 70万×(勤続年数-20年) 変動値 |
試算 | 800万円 | 70万×38年→1,260万円 |
●2 退職金にかかる税金の試算
2,200万円を超える金額の内、税金対象(課税所得)になるのは半額分だけです。
そのため、38年会社勤務をした場合の退職金計算は次のようになります。
退職金+DC年金 | 課税対象額 | 所得税 | |
試算 | 2,000万+1,000万 | (3000万-2060万)÷2 → 470万円 | 98万2,500円 |
参考:所得税の計算方法
DC年金を退職金として受け取る場合、98万2500円が税金で引かれます。
年金で受け取る場合
公的年金は雑所得として税金を納める形になります。
65歳を境に「厚生年金を受給する」「所得控除が変わる」と状況が変わるため分けて試算します。
1年あたり | 厚生年金 | DC年金 | 税金 | 5年の合計 |
60~64歳 | 0 | 100万円 | 0 | 0 |
65~69歳 | 200万 | 100万円 | 22万3000円 | 1,11万5,000円 |
参考:試算で参考にしたページ
企業型DC年金デメリット
企業型DC年金デメリット1 受取は最短60歳からで解約できない
積立てたお金は最短でも60歳からでないと受け取れません。
そのため、ローン返済や子供の学資が必要となった場合、年金積立があるにもかかわらず御金の工面をしなくてはなりません。
ローンや子供、収入の安定などを考えて積立てる必要があります。
企業型DC年金デメリット2 運用損のリスクがある
運用商品の中にはリスクをとった投資信託などがあります。
コロナショック・リーマンショックのような出来事があると積立てたお金が減る場合もあります。
ただし、銀行定期預金商品のように元本割れリスクの低い商品もあります。
企業型DC年金デメリット3 転職時に商品解約(売却)する事になる。
会社を転職した場合、運用している商品を解約する必要があります。
転職先の会社が企業型DC年金をしていても、同じ商品があるとは限りません。
独立してフリーになった場合は個人型(iDECO)等で新たに運用していくことになります。
具体的には、転職時に運用商品がマイナスになっいても解約しなくてはなりません。
企業型DC年金の仕組み
企業型DC年金の仕組み1 積立金
会社が定める金額を積立していきます。
役職や職級で積立額が決まることが多いです。
毎月の積立額上限は次の通りです。
DC年金のみ | 最大55,000円 |
他の年金制度あり (企業年金基金等) | 最大27,500円 |
企業型DC年金の仕組み2 積立方法
マッチング拠出ありの会社 | 半額を会社が負担、残り半額を個人で自由に積立 |
マッチング拠出なしの会社 | 全額を会社が負担 |
マッチングありの場合、半額は自分で積立額を決めることができます。
具体的な例としては、次のような例です。
- 会社負担と同じ額を給料天引きで積立する
- 個人負担は0円にして積立をしない
企業型DC年金の仕組み3 受取方法
企業型DC年金の受け取り方法は次の2通りです。
- 原則60歳から10年間年金として受け取る
- 退職金として一時金で受取る。
※年金と同じく重度障害・死亡時も支給されます
企業型DC年金のまとめ
DC年金がおすすめな理由は次の理由です。
- 会社が負担してくれる
- マッチング拠出分の積立てに税金がかからない
- 受取る時に税金優遇がある
具体的には、積立てをしないで給料としてもらった場合、所得税・住民税・復興所得税をとられます。
この時の税率は現役時の年収により決まってしまいます。
DC年金は次のような場合おすすめしません。
貯金が少ない状態
病気になって仕事を2・3カ月休む・災害にあったなど、突発的にお金が必要になることがあります。
貯金が100万円位は無いと、いざと言うときに対応できません。
先に最低限の貯金を貯めたほうがおすすめです。
・住宅ローン減税で所得税が0円の人
積立てに対して税金がかからないのがメリットです。
所得税が0円になるような年はおすすめしません。
年1回までは積立額が変更ですので、積立金を一時的に減らしましょう。
企業型DC年金の運用した結果
税制の優遇で20%お得
毎月平均して1万円をマッチング拠出をして積立してきました。
現在までに積立による税金の控除で約14.4万円節税できたと思います。
税金は所得税20%、住民税10%ので計算しています。
1万円×12カ月×4年=48万
48万×30%(節税した税金) → 14.4万
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